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「敬老の日」を祝って 高年講座
 創設者野村佳子理事長は、かつて敬老の日について、「一般的には若い人たちに祝ってもらうが、高年期に最も大切なのは自立の精神である。自らが頂いた生命を全うすることへの感謝で、この日を持つことに大きな意義がある」と語られた。
 高年部のメンバーたちは、野村理事長の言葉を誠実に受けとめ、その精神のもとに毎年、敬老の日の集いを持ってきた。事前の準備から、当日の会の運営まで、若い人たちの手を借りながらも、基本的に自分たちが主体となって行っている。
 今年も9月20日(火)、金子由美子理事長臨席のもとに、「敬老の日」祝賀会を兼ねた高年講座が、当センター第二研修会館で開かれ、東京及びその近県、さらに遠路は群馬、静岡より、70歳代から90歳代までの39名が参集した。
 東京支部副責任者による講義のあと、高年部責任者安井泰子さんの挨拶で祝賀会は始まった。
 まず、90歳になる泉展子さんの乾杯の音頭により祝杯を交わした後、安井さんが研修担当の山下典子理事からのメッセージを代読した。
 敬老のお祝いが、金子理事長から参加者一人ひとりに手渡され、和やかな談笑の中で昼食となった。
 途中、幼児教育部の子どもたちから、歌と手作りのしおりがプレゼントされ、高年部からも返礼のプレゼントが贈られた。
 午後の全体討議では、午前の講義を聴き、「さらにひたむきに自己教育に努めたい」といった力強い発言が続いたが、「今の子どもたちが将来の日本を背負っていくことを考えると、教育がいかに大事かを思う」「犯罪の増加、低年齢化に将来の日本がどうなるのか心配になる」等、今の社会状況を憂う発言もあった。
 金子理事長は、祝辞を述べる中でそうした声に応えて「野村理事長はお一人からこの活動を始められ、40数年の間、私たちを啓蒙し続けてくださった。一人の人間の目覚め、実践がいかに価値あることかを確認し、自分たちがしていることに誇りを持ちたいと思います」と述べ、「高齢期において最も大切な精神的自立をもって、高年部自らがこうした会を持たれ、また私たちの未来である幼児たちがこの場に参加し、お祝いをすることの意義の深さを思います。
 戦後世代が多くなった今、皆さんが通られてきた貴重な人生の経験を、ぜひ次世代に伝えていただきたい。戦後日本が今日まで平和を堅持してきたこと、それを可能ならしめたものを貴重な価値として、意図的に次世代に伝承していただきたいのです」と述べ、感謝の言葉をもって結んだ。
 この日手伝いに入った幼児教育部の若い母親は「役がついているからやっているだけなのに、高年部の方々はそのつど『ありがとう』と言ってくださった。あくまで主体的に生きるその姿に感動し、私もそのようになりたいと思った。私は祖母が大好きだが、そのように母が私を育ててくれたのかなぁ、と思った」と感想を述べていた。
 高年部メンバーがまさに身をもって「知識の教育から智慧の教育へ」を次世代に伝えた貴重な一日となった。
 
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